小児耳鼻咽喉科
耳鼻科の病気にはお子さんがかかるものが多いです。
- 1急性上気道炎(鼻水・咳・発熱などのカゼ症状)
- 2アレルギー性鼻炎・寒暖差アレルギーなど
- 3耳垢栓塞(耳あか)
- 4急性中耳炎
- 5滲出性中耳炎
- 6副鼻腔炎(ちくのう)
- 7扁桃肥大・アデノイド
- が代表的なものです。
新生児から小児期までは、免疫機能・自律神経機能が十分に発達していないことや耳・鼻・のどの奥が未熟なために、いろいろな病気にかかりやすいものです。
長引くカゼ症状(鼻水・鼻づまり・咳など)では、アレルギーが原因であることがよく見受けられます。季節の変わり目にカゼ症状が長引くときは寒暖差アレルギー状態の時もあります。
また呼んでもなかなか返事しない時やテレビの音が大きい時は、気づかないうちに滲出性中耳炎にかかっている場合があります。
鼻汁や鼻づまりを放っておくと集中力が低下して学校の授業や習い事などにも影響が出てしまうことがあります。
いびきが大きい子では、扁桃・アデノイド肥大やアレルギー性鼻炎を認めることがあり、成長障害・集中力低下・睡眠障害などの原因になることがあります。
お心当たりのある方はささいなことでも遠慮なくご相談ください。
▲ページトップに戻る耳あか(耳垢栓塞)
耳あかは人それぞれ性状や量も違います。
汗かきの人は粘土状であるのに対して、粉状の耳あかがたまる人もいます。耳の穴のふちに固まってへばりついている人もいます。ご自身ではなかなかきれいに取りきれるものではありません。
お子さんでは耳の穴が小さいため、お母さんが耳あかを取ろうとして耳に傷をつけてしまったり、逆に耳あかを押し込んで耳をふさいでしまうことがあります。子供でも安全に取り除くことができますので気がねなくご相談ください。
▲ページトップに戻る中耳炎について
新生児から小児期までは、免疫機能・自律神経機能が十分に発達していないことや耳・鼻・のどの奥の構造が未熟なために、急性中耳炎や滲出性中耳炎にかかりやすいものです。またアレルギー性鼻炎で、絶えず鼻水が多い子や鼻すすりがクセになっている子はではさらにリスクが高くなります。
●急性中耳炎
鼻腔から耳管(鼻の奥から耳とつながっている管)を通って中耳に細菌が入り中耳炎を引き起こします。お子さんが風邪を引いて膿性鼻汁(緑色の鼻水)が多くなると中耳炎にかかりやすくなるので注意が必要です。
肺炎球菌やインフルエンザ菌が原因となっていることが多いです。
また保育園・幼稚園・小学校など集団生活をしているお子さんでは耐性菌(通常の抗生物質では効きにくい菌)が原因となっている場合があります。耳だれや鼻汁から菌検査を行い抗生剤を決めることがあります。
●滲出性中耳炎
子供に非常に多い中耳炎で、ご両親が気付かないうちにかかっている場合が少なくありません。治りにくい中耳炎ですが、成長とともに自然によくなることも多いです。
難聴で日常生活に支障がある場合は積極的に治療を行います。鼓膜所見に異常がある場合は難聴の後遺症が残ることがあるので、鼓膜チューブ留置術を提案することがあります。いずれの場合も定期的な診察が不可欠です。
●慢性中耳炎
中耳炎などが原因で、鼓膜穿孔(鼓膜に穴が開いている状態)が残ってしまったために外耳からの細菌感染が起こり慢性的に中耳炎・耳だれ(耳漏)を繰り返す病気です。
中耳炎を繰り返しているうちに難聴が進行することがありまので、定期的な耳の消毒・点耳薬・抗生剤による治療が必要になります。難聴の改善が期待できる場合や耳だれ(耳漏)が気になる場合は鼓膜を閉じる手術をお勧めすることがあります。
●真珠腫性中耳炎
耳管狭窄症や滲出性中耳炎を長期間放っておくと真珠腫性中耳炎になることがあります。まれに生まれつき真珠腫性中耳炎のお子さんもいます。真珠腫性中耳炎はお薬や局所処置では治らないため手術が必要になります。
耳鳴り
耳鳴りは、まず脳からくる病気(脳腫瘍や脳梗塞や脳出血など)を除外診断することが重要です。場合によっては脳MRI検査などをお勧めする場合があります。
しかし頻度としては加齢による感音難聴に伴うものが圧倒的に多いです。そのほかには急性感音性難聴(突発性難聴など)の後遺症や中耳炎に随伴して起こる場合もあります。
治療は原因のはっきりしているものはそれに対しての治療を行います。
加齢によるものに対しては血流改善剤やビタミン12・漢方薬などの投与を行いますが難治性である場合が多いです。
補聴器装用によって耳鳴りの減衰が得られる患者さんもいます。
めまい
めまいは中枢性めまいと末梢性めまいに分けられます。
中枢性めまいは中枢性疾患(脳梗塞や脳出血や脳腫瘍などを含む脳の病気)から引き起こされるめまいで、いわば危険なめまいです。
中枢神経症状(手足のしびれ・手足の運動麻痺・ろれつが回らない・物が二重に見える・体の一部の感覚の麻痺など)があれば中枢性疾患の可能性がありますので、すぐに救急車を呼んで脳内科・脳卒中内科・脳外科などがある施設を受診してください。中枢神経症状がなければ、めまいの症状が強くても慌てることはありません。余裕があればある程度めまいが落ち着いてから(動くとめまいがひどくなる場合は、少しめまいのおさまった翌日など)の受診で大丈夫です。
中枢性めまい以外のめまい、すなわち末梢性めまいは個人差はあるものの安静によって症状がおる程度落ち着くことが多いです。
末梢性めまいの中では、頭位変換(寝返りなど)によって誘発される良性発作性頭位めまい症が一番多いです。その他には、難聴や耳鳴りなどの症状を伴うもので突発性難聴やメニエール病などが代表的なものです。
さらに風邪症状に引き続いて起こる強いめまいを特徴とする前庭神経炎といわれる病気もあります。
診断は問診・聴力検査・赤外線眼振検査・重心動揺を計量的に測定評価するシステム(グラビコーダー)などを用いて診断の一助とします。
末梢性めまいの多くは安静・投薬にて症状は快方に向かいます。
アレルギー性鼻炎(花粉症)
アレルギー性鼻炎は、花粉(代表的なものにスギやヒノキ)あるいはダニやハウスダスト(家のほこり)などのアレルゲンが原因となってアレルギー症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなど)をきたすものです。
●花粉症・アレルギー性鼻炎の治療について
- 花粉症では初期治療・予防治療をお勧めしています。
症状が出る少し前からアレルギーのお薬を始める方法です。
症状が出始めてから服用するよりも軽症で済みます。 - 当クリニックでは、患者さんの症状に合わせて薬を処方します。
鼻粘膜を直接観察することで、個々の患者さんの状態を把握し薬を選択します。
また鼻汁型・鼻閉型などの症状に見合うように、内服薬・点鼻ステロイド薬・漢方薬などを駆使して出来るだけご希望に添えるように考えています。 また眠気の出ない薬・妊娠中や授乳中の方でも安心して服用できる薬もありますので遠慮なくご相談ください。 - 舌下免疫療法 (スギ花粉症・ダニアレルギー性鼻炎)
現在もっとも根本的なアレルギー性鼻炎の治療法です。
詳しくはこちら >>
●花粉飛散情報について
●当院でのアレルギー検査
20分で8種類のアレルゲンを調べることのできる検査キット(微量採血検査ですので、お子様でも痛みなく検査することができます)を用いたり、通常の採血法であれば30種類以上のアレルゲンを調べることも可能です。
まれに何度検査してもアレルゲンの特定ができない患者さんもいます。
副鼻腔炎(ちくのう症)
- 1急性副鼻腔炎
- 2慢性副鼻腔炎
- 3真菌性副鼻腔炎
- 4好酸球性副鼻腔炎
- などがあります。
風邪などをきっかけに副鼻腔(鼻の周りにある空洞)に細菌感染を起こし、膿性鼻汁(膿のような鼻汁)や異臭・鼻づまり・後鼻漏(鼻汁がのどに流れる症状)をきたす病気です。
急性副鼻腔炎では発熱や顔面痛・頬部痛・前額痛・頭痛などを伴う場合があります。
慢性副鼻腔炎では、頭重感や嗅覚障害を伴う場合もあります。
もともと喘息をお持ちの患者さんの副鼻腔炎は難治性であるといわれています。
また最近では好酸球性副鼻腔炎という新たな概念も加わってきておりこれも難治性の疾患です。
急性副鼻腔炎は比較的抗生剤などの投薬治療が奏功することが多いです。
慢性副鼻腔炎では長期的な抗生物質などの投薬治療が必要になります。
保存的治療で改善が見られない場合、真菌による副鼻腔炎の場合、悪性腫瘍が否定できない場合などは手術をお勧めすることがあります。
咳(せき・咳嗽)
非常にありふれた症状ですが、お子さん・大人を問わずどなたでも経験されたことがあることと思います。単純に風邪症状に伴う咳、発熱もなく体もしんどくないのにいつまでも続く咳、アレルギーによる咳、副鼻腔炎による後鼻漏(鼻汁がのどに流れること)が原因の咳、咳喘息、逆流性食道炎による咳など、咳の原因は非常に多岐にわたります。
当院では、原因によって抗炎症薬・抗生剤・鎮咳薬・去痰剤・抗アレルギー薬・β2刺激薬(気管支拡張薬)・ステロイド吸入薬・漢方薬などを駆使して様々な咳症状に対応いたします。
咳(せき)が続く期間 | 原因となる病気 | |
---|---|---|
急性咳嗽 | 3週間未満 | 風邪、インフルエンザ、急性気管支炎など |
遷延性咳嗽 | 3週間以上 | 咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、逆流性食道炎、慢性気管支炎など |
慢性咳嗽 | 8週間以上 |
甲状腺腫瘍
甲状腺(前頸部・首にある甲状腺ホルモンを生成している小さな臓器)に腫瘍(かたまりやできもののことを指します)ができることがあります。
頸部の腫れが自覚症状としてあらわれることが多いですが、病状によっては嗄声や呼吸困難を自覚する患者さんもいます。
また最近では健診などのCT検査や頸動脈エコーなどで偶発的に発見される患者さんも多いです。甲状腺腫瘍の多くは良性であり、悪性(甲状腺がん)と違って手術が必要となることは少ないです。
大切なことは、甲状腺に腫瘍があった場合に、その腫瘍が治療が必要なものであるか否かをきちんと見分けられるかどうかです。
残念ながら甲状腺腫瘍を専門的に診察している地域のクリニック(開業医)は不足しているのが現状です。
私は20年以上にわたり多くの甲状腺腫瘍・甲状腺がんの手術を行ってきた経験を活かして、エコー検査・エコーガイド細胞診検査・血液検査などを駆使して甲状腺腫瘍の良性・悪性の鑑別を行っています。悪性(甲状腺がん)と判明した場合は、信頼のおける施設へ紹介させていただきます。
良性と診断された場合でも経過観察は必要ですので、定期的にエコー検査などで経過を見せていただきます。
甲状腺がんは比較的進行が遅いために、1センチ以下のがんに対しては必ずしも手術を必要としない場合もありますので、そういった点に関してもアドバイスさせていただきます。
咽頭・喉頭・口腔・鼻腔のがん検診
ハイビジョン内視鏡システムを用いて、咽頭・喉頭・口腔・鼻腔のがん検診を行います。
長きにわたる勤務医の経験を活かして、がん(悪性腫瘍)は見逃さずに確実に見つけ出します。
睡眠時無呼吸症候群について
「寝ているときに呼吸が止まっている」と言われたことはありませんか?
いびき・日中の眠気・起床時の頭痛などの症状のある方、また肥満があり高血圧などの合併症をお持ちの方も、睡眠時無呼吸症候群が疑われることがあります。
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、脳卒中、心筋梗塞など心血管系疾患発症の危険性が約3~5倍になるといわれており、突然死の原因になりうると考えられています。
お心当たりの方は、当クリニックにご相談ください。
●病気のメカニズム
呼吸の通り道である上気道が狭くなることが原因です。
首まわりの脂肪が多いと狭くなりやすく、肥満は睡眠時無呼吸症候群と深く関係しています。
扁桃肥大、舌肥大、鼻炎・鼻中隔弯曲といった鼻の病気も原因となることがあります。
あごが後退していたり、あごが小さい方は、肥満でなくても睡眠時無呼吸症候群になることがあります。
●診断
問診などで睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、携帯型装置による簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行います。
当クリニックでは、提携している高度管理医療機器専門業者に依頼することでご自宅での精密検査が可能です。入院検査に比べて低費用で精密検査が可能になりました。
●治療
中等症~重症の睡眠時無呼吸症候群の方では、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)が標準的治療とされています。
CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。小児の睡眠時無呼吸症候群ではアデノイド肥大・扁桃肥大が原因であることが多く、手術が有効です。
補聴器の相談について
難聴のために日常生活のコミュニケーションが難しくなっていませんか?
当クリニックでは補聴器についての相談も受け付けています。
提携の補聴器専門担当者がクリニックに訪問し、補聴器の作成をお手伝いします。
また、身体障害者福祉法指定医の資格がありますので、身体障害者認定(高度難聴)も行っております。お気軽にご相談ください。
地域連携病院
- 大阪労災病院
- 堺市立総合医療センター
- 馬場記念病院
入院や手術などが必要になった時には、連携している大阪労災病院や堺市立総合医療センターなどと連絡を取り合い速やかにご紹介いたします。
CTやMRIなどの画像検査も提携の堺市立総合医療センターや馬場記念病院(クリニックまでの送迎あり)などに依頼し対応いたします。